口腔ケアに関する介護報酬加算のお手伝い

  • 誤嚥性肺炎の予防
  • 食欲・栄養摂取の改善(フレイル予防)
  • QOL(生活の質)の向上
  • 医療費の抑制(入院や重症化を防ぐ)

介護報酬加算には上記のような制度的な意義が存在しますが、実際にはクリアすべき様々な問題点が存在します。
私たちはそれら問題点の中でも「口腔機能改善管理指導計画項目」や「口腔機能の定期的な記録項目」、「口腔連携強化加算記録項目」「口腔連携強化加算に係る情報提供書」など、申請時におけるハードルとなる様々な報告事項書類の作成を、厚生労働省が求める様式での書類・書面のサポートの準備を進めております。

口腔ケアに関する介護報酬加算とは?

介護サービスの中で「利用者の口腔機能の維持・改善」に取り組むことを評価し、介護事業所が追加で算定できる報酬(加算)のことです。誤嚥性肺炎の予防や、食事・会話の楽しみを支える「口腔機能の維持・向上」は高齢者の健康寿命に直結するため、介護保険制度で重点的に位置づけられています。
口腔ケアに関する介護報酬加算は以下の3つが設けられております。

口腔機能向上加算

対象
通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション など
内容
言語聴覚士や歯科衛生士が中心となり、口腔体操や咀嚼・嚥下訓練を行う
目的
口腔機能低下の改善・維持
月に一定回数、口腔機能評価+訓練を行った場合に算定可能

口腔衛生管理加算

対象
介護老人福祉施設(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院・障害者支援施設 等
内容
歯科医師・歯科衛生士による口腔状態の確認、口腔衛生管理の実施・助言、施設職員への指導
特徴
専門職(歯科医師・歯科衛生士)の関与が必須で月1回程度の関与でも算定可能、積極的な関与で算定。
施設内での日常ケアの質向上が目的であり、口腔機能向上加算(デイサービス等で行う訓練型)と違い、「衛生管理(清掃・清潔維持)」に重点を置く
  • 特養での取り組み
    歯科衛生士が月2回訪問
    入居者の口腔チェック(乾燥、歯垢、義歯の適合確認)
    入居者ごとに必要な清掃方法を介護スタッフに伝達
    記録を残して「口腔衛生管理加算Ⅱ」を算定
  • 老健での取り組み
    歯科医師が定期巡回し、数名の入居者を診察
    歯科衛生士が義歯洗浄とブラッシング指導を実施
    介護スタッフに「誤嚥防止のための口腔ケアポイント」を研修
    「口腔衛生管理加算」を算定

口腔連携強化加算

対象
施設系サービス
内容
地域の歯科医師や歯科衛生士と介護施設が連携し、口腔ケアや口腔機能低下への対応を強化
訪問歯科診療や定期的な専門職の関与を評価

口腔ケアに関する介護報酬加算の問題点

口腔ケアに関する介護報酬加算は、高齢者の健康寿命延伸や誤嚥性肺炎予防に大きな意義がありますが、実際の現場ではいくつかの課題・問題点が指摘されています。

  • 人材・体制面の課題
    歯科衛生士不足:特に介護施設や在宅の現場に歯科衛生士が十分に関与できる体制が整っていない。
    介護職員の負担増:日常業務に加えて口腔ケアを徹底することは時間的・労力的に負担が大きい。
    多職種連携の不十分さ:歯科と介護現場の情報共有が十分でなく、加算の算定につながらないケースがある。
  • 加算の算定要件の複雑さ
    算定要件が細かく、事務負担や記録負担が大きい。
    書類整備に追われ、実際のケアより「算定のための対応」が優先されることもある。
    「専門職が関与した回数」「計画の作成・評価」など、実務的に継続しにくい要件がある。
  • 加算額の低さ
    実際の人件費や時間に比べ、報酬が低く採算性が乏しい。
    施設によっては「労力の割に見合わない」と感じ、加算取得を諦めているところもある。
  • 利用者・家族への周知不足
    利用者や家族は「口腔ケア=介護の一部」と認識していて、加算がつくことを理解していない場合が多い。
    「お金がかかるのに、なぜ歯磨きなのか」という誤解が生じやすい。
  • 効果測定の難しさ
    口腔ケアの効果(誤嚥性肺炎予防、栄養改善など)は長期的・間接的に現れるため、加算評価の根拠として示しにくい。
    科学的エビデンスと現場の実感にギャップがある。
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